大好き 大好き

足りないって思うのは

あたしだけ?

欲情…してるのかな?







「…うーっ…むーっ…」
「何だ?美咲、朝からうなってばっかだぞ?」
「何でもないっ!翼にはかんけーない!」

「原田、安藤、授業中に私語は厳禁だ。廊下に立ってなさい」




「立たされたのお前のせいだからな!」
「は!?なんで俺!?」

これじゃ、いつもと変わらない。
ただの、いつもの、口喧嘩。
自分の思いだって、伝えられない。
好きあってるはずなのに、相手は求めてくれない
あの日、告白してくれたのは、嘘だったの…?

そんな不安とかがごちゃまぜになって、胸の奥でざわつく。
もう、いらいらしてるのか、ムカついてるのか、なんだかわかんない。



「美咲、あのさ…なんかごめ…」


あやまんなきゃいけないのは、あたしの方なのに。
そんなことを思いながら、翼の口を自分の口でふさぐ。
背、初等部の頃は、まだあたしのが少しだけ高かったのに、
いつのまにか翼のが10cm近く大きい。

「…あ、翼、ごめん!!!」

我に返ったあたしは、翼から離れてあやまった。



「…美咲…、俺我慢できない…」


翼はあたしの手を引いて、誰も使っていない教室に入った。


ほら、自分から勇気をだしたら、

だいすきすぎるの、もとめてるの、ぎゅってしてほしいの。




END.